13日は御所通に鎮座する樹齢約600年の椋(ムク)『将軍木』前にて、国重要無形民俗文化財でもある御松囃子御能(おんまつばやしおのう)が奉納されました。
松囃子とは、中世、特に室町時代に盛んに行われていた正月の芸事です。専業の芸人や村民、町人、武士たちが着飾ったり仮装をしたりして幕府・諸邸に参上し、祝福の舞や祝い事を述べて縁起物などを頂戴したものとされています。


御所通りを挟んで(左)県指定重要有形民俗文化財である能場、(右)県指定天然記念物・将軍木。
菊池の松囃子は南北朝時代、菊池氏15代菊池武光(たけみつ)が、後醍醐天皇の皇子・懐良(かねなが)親王を菊池に迎え征西府(せいせいふ)を開いた時、正月を祝うために舞ったのが始まりと伝えられています。
『将軍木』は親王が植えたとも、親王が差し立てた杖が根付いたとも言われており、その将軍木を親王に見立てて奉納しているそうです。


『勢利婦』(せりふ)
天下泰平や五穀豊穣を願って舞われるもので、申楽(さるがく)が能楽として大成される頃の芸態を今に伝える貴重なものだそうです。

謡曲『老松』(おいまつ)

狂言『胸突』(むねつき)
お金を借りておきながらいっこうに返さない男に業を煮やした貸し手が、男の家まで返済の催促に行ったところ押し問答となり、思わず胸を突き飛ばしてしまいます。男は大袈裟に叫び声を上げて「痛くて死にそうだ」と騒ぎだし…。
この後、素謡『八島』。
(写真がなくてスミマセン。観やすい位置を求めて彷徨ったもので… m(_ _;)m)

狂言『口真似聟』(くちまねむこ)
今日は吉日。聟(むこ)が舅(しゅうと)の家へ初入りをするにあたり、作法を教えてもらいに何某(なにがし)の元を訪ねます。
何某は、あまりにも物事を知らない聟に呆れ「舅の真似をすれば何事も無事に済む」と嘘を教え…。
聟役には、第十四世 野村又三郎(能楽師狂言方 和泉流野村派当主)氏が特別出演されました。

仕舞『吉野静』(よしのしずか)

仕舞『嵐山』(あらしやま)

独吟『高砂』(たかさご)


仕舞『殺生石』(せっしょうせき)


狂言『簸屑(ひくず)』
主人は、宇治橋の供養に多くの人々がお参りに通るため茶を振る舞おうと思い、太郎冠者(かじゃ)に簸屑(茶を選別した後に残った屑)を挽くように命じ、用件があると言って出かけます。太郎冠者は仕方なく茶臼を挽きはじめますが「こんな退屈な仕事はない」と居眠りしてしまう。
そこへ先に使いに行っていた次郎冠者が戻ってきて茶を挽く理由を尋ねるも途中で眠ってしまうため、眠気覚ましに面白かった話をしたり舞を披露したりしますが、ついに横になって寝てしまった太郎冠者。
怒った次郎冠者は太郎冠者に鬼の面をかぶせ…。


−−−と、午後1時から約2時間、堪能しました。
御松囃子御能を観るのは初めてでしたが、案外セリフを理解できたので楽しめました(*^_^*)
どこかで見聞きしたことがあったのか内容にも覚えがあったのが意外でした。
撮影:Nikon D60
参照*菊池の松囃子(きくちのまつばやし) 菊池市 - 熊本県庁/菊池観光協会 - 御松囃子御能/重要民俗文化財 御能 菊池の松囃子 (まつばやし) - YouTube/御松囃子御能〜(勢利婦 其の1) - YouTube/御松囃子御能〜(勢利婦其の2) - YouTube
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