という訳で、心置きなく寄り道!(笑)いつもは通過していた美利河(ピリカ)に立ち寄りました。
ピリカがある今金町(いまかねちょう)は珍しくアイヌ語が語源じゃないんだな〜と思ってたら、初期の開拓者である今村藤次郎と金森石郎の名字からとったんだそうです。
ピリカとは、アイヌ語で「美しい/きれい/かわいい」などを指す言葉なので、ずっと昔から素晴らしい土地だったのでしょうね。

国指定遺跡・史跡ピリカ遺跡に併設されている『ピリカ旧石器文化館』に行ってみました。建物前には何故かティピーが(笑)
(ティピーとは、ネイティブアメリカンの平原の部族が利用する移動用住居の一種)
開館時間はたいてい17時までだと思ってたら16時までで、この時ちょうど16時になっていたから諦めてきびすを返したら、中から管理人さん?が出てきて「時間ですけど、いいですよ」と入れてくれました! 入館料200円です。


10分ほどの案内ビデオを観て、館内の資料を見学。とっても小さな資料館です。
ピリカ遺跡は美利河ダムの建設にあたって地質調査をしているときに偶然発見されたもので、昭和53年(1978)というから最近ですね。
え?「もう30年も前」?
ピリカ遺跡は縄文時代よりも古い旧石器時代の遺跡ですよ! 約2万年前! 30年がなんだってんだー(笑)


石器を作ったり火を焚いたりした跡から3〜5つの時期に分かれていると見られ、細石刃・尖頭器、細石刃核・刻器・削器、ドゥナイト製の玉などが11万点以上も出土。その中の163点が重要文化財に指定されています。
珍しいのは、装飾用と思われる穴の空いた玉(ビーズみたいなの)も出土していること。首飾りかなぁ。旧石器時代からお洒落してたんですね!


文化館の背後に広がるのがピリカ遺跡。なんとこの丘のうち、実際に発掘した面積はほんの1%! まだまだ数多の遺跡が眠っているのです。


この建物内には発掘の様子をそのまま保存、展示してあります。不思議なことに縄文時代にヒトが住んでいた痕跡は今のところ見つかってないそうです。
ちなみに旧石器時代が約200万年前〜1万年前くらい、縄文時代は約1万6,500年前〜約3,000年前(範囲が広すぎるわ!)。


こちらは、文化館駐車場の脇にある別棟に展示されているピリカカイギュウ化石の復元模型。頭部〜上半身あたりの骨が出土したんだそうです。大昔、ここは海だったのですね。
他にも、古い農具や木挽きの道具類、また昭和62年(1987)に廃止された国鉄瀬棚線を走っていた列車の一部なども展示されていました。
文化館では石器や勾玉づくりなどが体験できますよ。そういえば新潟県胎内の歴史資料館で購入した勾玉、最近磨いてないなぁ。


文化館から約500mほどの国道沿いにある美利河ダム。重力式コンクリートダム(755m)とロックフィルダム(725m)を合わせた複合ダムとしては日本一なんだそうです。ダムの堤防沿いに歩いて行ってみました。


一級河川・後志利別川は、毎年行われている水質検査で過去12度も「日本一きれいな川」と認定されているほどの清流です。


回遊魚を対象とした『魚道』がダム湖を迂回して約2,400mも整備されており、これも日本一。


階段式魚道の一部に設けられた観察窓からは、季節によりヤマメ、ウグイ、アメマス、アユの姿を見ることができます。ヤマメはすぐ判ったのですが、あとは…(^_^;


余談ですが400年ほど前は砂金採掘、100年ほど前にはメノウなどの鉱物採掘で賑わったそうで、豊かな恵まれた土地なんですね。砂金は今でもちょっとなら採れるらしいですよ(笑)

ダムから500mほど山間に入って『クアプラザピリカ・奥美利河温泉山の家』で日帰り入浴しました。
パークゴルフ場・キャンプ場・ゴーカート・スキー場に隣接する温泉宿泊施設で、レストランでお食事もできます。
撮影:Nikon D60
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