2020年11月21日

八女市・馬場金作氏のアトリエと再生の森

【パノラマカフェとびかたの森】でランチした後、池田さんの知人で芸術家の馬場金作氏のギャラリー兼アトリエに案内していただきました!

彫刻家、書家(馬場文字という独自の文字も発明)、画家… 多角的に活躍する芸術家は数あれど、その全てのジャンルにおいて一流であるというのは稀です。
馬場さんは、そんな希有な芸術家の一人。

馬場金作氏(01)

この古民家ギャラリーも馬場さんの作品=I
土間や土壁、内装などもご自身のアイデアが詰まっています。

内部は数々の作品が所狭しと展示してあるので撮影しませんでしたが、アートのみならず建築好きな方もうなること間違いなしです。

馬場金作氏(02)

軒下には、なんと下駄にツバメの巣が!!
カフェ「とびかたの森」に展示されていた、ひょうたんにツバメの巣がつくられていたのも馬場さんのもの。
馬場さんは「ツバメの作品」と言いますが、なかなかこんなところに巣を作るなんてことはないし、動物に警戒されない、慕われている環境を作り出しているというのも作品のうちかと。
(ちなみに右側はスズメバチの巣)

馬場金作氏(03)

囲炉裏で湧かしたお湯でお茶をふるまっていただきました。
さりげなく柿の葉を添えてあるなんて素敵です(´ω`*)

数々の作品ひとつひとつにエピソードがあって熱心に解説してくれるのですが、それは誇示する、自慢する、というのではなく「あぁ、本当に好きなんだなぁ」と愛情が伝わってくる、少年のような語り口で思わずこちらも時間を忘れて聞き入ってしまいます。

馬場金作氏(04)

それと同じくらいの情熱を感じられるのが、この森です。
アトリエの裏手に広がる小高い森は、実はかつて産業廃棄物の山でした。

馬場金作氏(05)

馬場さんは「このままではいけない」と思い、ここを買い取って一人でコツコツと土を運び、はびこった竹を切ったりして整備を始めたそうです。
その矢先に脳梗塞を患い半身が麻痺しながらも、毎日毎日、杖とノコギリを手に這いずって、1本1本、竹を切っていって、てっぺんの竹を切る頃には自力で立っていることに気づいて号泣したそうです。

馬場金作氏(06)

この森に生えている木々は、すべて「実生(みしょう)」です。
苗木を植えたものは1本もなく、鳥たちがタネを運んできて、それが芽吹いたものなのです。

馬場金作氏(07)

こちら側は、最近まで廃棄されていたところで、まだ木は生えていません。

人間の活動、営みによる排泄物が産業廃棄物。生きていれば排泄するのは無理からぬこと。
それならば、きれいなトイレを作ろうじゃないか。
そう産廃業者の社長に話をしたら、「今まで嫌われ者で、そんなふうに言ってくれる人はいなかった」と涙ぐまれたと言います。

廃棄物を出したヒトは自分で処理せず、業者に頼んで廃棄してもらっている。それなのに、処理している会社が陰口を叩かれる。
あぁ、そうか…。

馬場金作氏(08)

木の根が傷まないように足場にする石も、馬場さんが一つ一つ運んできました。

孟宗竹は管理されたお陰ですくすくと育ち、こんなに立派に!
毎年、タケノコという恵みをもたらしてくれます。

馬場金作氏(09)

以前はヘドロで、ガスがボコボコ出て油が浮いていたというのが信じられないくらい、清流に生まれ変わっています。

森を見守る犬のオブジェは、羽犬(はいぬ)伝説から「羽が生えた犬」を依頼されての試作だそうですが、どの犬にも羽はなく、まだ完成には至っていないのだそう。
手放すのが寂しいような。羽をつけるのは生涯最後の仕事になるかも、と笑っていました。

羽犬伝説と羽犬の塚|筑後市

馬場金作氏(10)

古民家の周りは観賞用に植えたものもあります。
驚くほど野鳥がたくさん飛び交っていて、そよ風に揺れる木漏れ日と野鳥の歌声が響き渡る森は、まさに再生の森≠ニ呼びたくなるほど生命力に溢れていました。

馬場金作氏(11)

この作品は、馬場さんが廃棄物の山のなかから引っ張り出したワイヤーをもてあそんでいたら出来上がったものだそうです。
肩を組んで、今にも駆け出して行くような、歌を唄っているような、希望を感じさせる様子はまさに森からの贈り物のように心に語りかけてきました。


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・2020年09月15日【棚田と彼岸花の景色を探して星野村〜浮羽へ
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posted by しう@SOTO at 00:00 | TrackBack(0) | 福岡
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