2015年10月02日

シマフクロウ一家物語〜鷲の宿から〜

知床とくれば、そう、【鷲の宿】に行かない訳がありません。今年もお世話になります!ヾ(*´▽`*)ノ

民宿【鷲の宿】は、野鳥好きカメラ愛好家の間では有名な「シマフクロウに会える宿」。今年、シマフクロウ一家に大きな変化がありました。
脳内BGMは、あの名曲でお願いします。♪ら〜ら〜 ららららら〜ら〜・・・

鷲の宿(1) 鷲の宿(2)

初めて訪れたのは2013年。今年は新しく撮影用のスーパーハウスが増設され、また夜間照明もLEDになりました。5年ほど前まではストロボ撮影ができてたそうですが、現在はもちろんNGで、撮影場所もスーパーハウス(食堂)か宿の中、もしくは川岸に置いてあるバスの中と決まっています。

こういった変更にはカメラマンたちの反発も大きかったようですが、環境省からの要請が強く関わっており、うまく折り合いをつけていくのが肝要です。

知徒来川 鷲の宿(撮影用バス)

民宿のすぐ目の前には、清らかな知徒来(チトライ)川。この上流には砂防ダムがひとつもないことから水温が上がらないのでヤマベやオショロコマが生息し、カラフトマスもたくさん遡上してきます。
そんな清流だからこそ、民宿をはじめる前(ここは元々ご自宅)から住んでいたというシマフクロウのつがい。それはもう25年以上も前からのことです。

いつからか「冬はエサが少なくて困るだろう」と川の中に岩で囲ったいけすのようなものを作ってサカナをあげるようになり、それが習慣になり、シマフクロウもすっかり覚えて、いつの間にか「シマフクロウが見れる宿」として定着したそうです。
元々、羅臼は冬になると流氷とオジロワシなどを目当てにしたバードウォッチャーが世界各国から集まるところで、鷲の宿も2月ともなると満室オーバー。2年も前から予約するお客さんもいるほどです。

シマフクロウ(1) シマフクロウ(2)

民宿に宿泊のお客様は17時頃から食堂で夕食をとりはじめます。早い時間から食べ始めるのには訳があり、それはシマフクロウの出没時間に合わせているからなのです。

夕暮れ時になると、民宿の裏手や正面の小山から鳴き声が聞こえてくるのですが、今年は「ピュィー」というヒナの鳴き声ばかりで、父親の「ボーボー」という重低音が聞こえてきません。
シマフクロウの鳴き交わしは、「ボーボー」(オス)「ヴー」(メス)という感じです。

「どうしたんだろう?」と女将さんに聞いたら、どうやら今年の夏前くらいに亡くなったようなのです。日誌を見てみると、6月中旬くらいから来なくなっています。
シマフクロウの寿命は、飼育下で30年ほどといいますから、鷲の宿創業前からいたことを考えれば長生きをした方でしょう。
しかし、そんなこと考えてもみなかったので驚くとともに、しんみり寂しくなってしまいました。

シマフクロウ(3) シマフクロウ(4)

今現在は、今年のヒナと去年のヒナ、そして父親が来ています。
いっぺんに来る事は稀で、代わる代わる飛んできます。一番よく食べるのは去年のヒナかなぁ。父親はあまり食べず、2〜3匹食べるとどこかへ飛んでいきます。

今春から、観光協会@地域おこし協力隊のSさんが毎日シマフクロウ観察をしていて、色々と解説してくれています。英語もペラペラなので外国からのお客様も安心!
初見では誰が誰だか見分けがつきませんが、足には環境省がタグをつけており、それぞれ違う色の組み合わせになっているので初心者が見分けるには便利です。

シマフクロウ(5) シマフクロウ(6)

Sさんによると、どうやら父親には新たな奥様候補がいるらしいのです。たま〜に、この給餌場にも連れて来るそうですが、まだメスの方が警戒しているようで近くまでは来ても、なかなか降りて来ないと言っていました。
鳴き交わしも、たま〜にしか聞こえて来ず、お返事も小さく「ゥー」とかすかに聞こえるだけ。それでも鳴き交わしが成功すると「おー!」って感動するそうです!
あ〜、わたしも聞きたい(*´▽`*)

いつまでも哀しんではいられないよね。来年もまた、可愛いヒナが育つといいな。
鷲の宿のシマフクロウ一家からは、およそ20羽近くものヒナが巣立っていったといいます。これは保護活動といってもいいくらいの成果ですよね。

シマフクロウ(7) シマフクロウ(8)

今年は初めて、シマフクロウが水辺で遊ぶ(くつろぐ)様子も見れました!
こちらは去年の子どもで、どうやら流れて来る落ち葉をサカナに見立てて捕まえたりしていました。

新しく設置された投光器は1/80秒間隔で1/800秒のストロボ点滅をしているそうです。人間もシマフクロウにも、肉眼で感知できないので問題ないらしい。

ここで撮影ポイント。
シャッタースピードは1/80、F5.6でISO6400くらいがいいそうですよ。


鷲の宿(看板犬サラ)

「ボクもいるよ!」
鷲の宿を陰で見守っているサラくん。とっても大人しく、シマフクロウはもちろんキツネや鹿が来てもワンとも言いません。
そんなんで番犬になっているのか?(笑)と思われがちですが、こんな穏やかな性格だからこそヒグマに襲われたときも一撃で済んだのです。

女将さんは膝が痛くてあまり歩けないので、お散歩に連れて行ってくれるワンコ好きのお客様は是非!リハビリに協力してくださいませ(*^_^*)
わたしも久しぶりに、お散歩しました〜♪

* 追 記 *

車中泊および、夕食のみの注文は受けつけておりません。
1泊2食付 9,000円(撮影代込み)、撮影のみの場合は 3,000円となりますm(_ _)m


*知床羅臼に関連する過去記事*
(★印は鷲の宿関連)
・2007年08月15日【羅臼で鱒釣り
・2010年08月31日【知床峠〜羅臼
・2012年08月07日【羅臼湖トレッキング
・2012年08月07日【熊越えの滝
・2012年08月08日【羅臼から尾岱沼へ
・2013年08月30日【シマフクロウが見れる宿】★
・2013年08月31日【羅臼・知床ネイチャークルーズ
・2013年09月02日【知床・羅臼の日帰り入浴情報
・2013年09月04日【羅臼を体験ダイジェスト
・2013年09月05日【羅臼の見どころあれこれ
・2013年09月06日【羅臼・相泊港から知床岬へ!
・2013年09月07日【羅臼で幻のブドウ海老を味わう
・2013年09月21日【羅臼漁火まつり(1日目)
・2013年09月22日【羅臼 漁火まつり(2日目)
・2013年09月23日【知床ネイチャークルーズ
・2013年09月26日【魚の城下町・羅臼漁港見学(第2弾)
・2014年09月15日【知床 羅臼の間歇泉
・2014年10月03日【知床・ウトロから羅臼、鷲の宿へ。】★

撮影:Nikon D5100/スマホカメラ(Xperia Z SO-02E)


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posted by しう@SOTO at 23:32 | TrackBack(0) | 北海道
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