※実際に訪れたのは1月4日です。
万田(まんだ)坑は、国指定重要文化財であり国指定史跡。
『九州・山口の近代化産業遺産群』として2015年5月4日にイコモス(国際記念物遺跡会議)からユネスコへ世界遺産リストに記載勧告がなされ、同年7月の第39回世界遺産委員会にて世界文化遺産としての登録が決定。【明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業】の23構成資産には、この万田(まんだ)坑や三池炭鉱宮原(みやのはら)坑、三池炭鉱専用鉄道敷跡が含まれています。
(
三井三池炭鉱 - Wikipediaより)

【万田坑ステーション】
公式サイトには駐車場の内訳が「大型バス5台、中型バス3台、乗用車72台」と書いてありますが、もっと小さいように思いました。第2駐車場とかあったのだろうか?

顔はめパネルがあった!(笑)バッテリーも本物がついてます!

自動販売機も万田坑オリジナル。

【まるごとあらお物産館】では、万田坑オリジナルグッズ、荒尾の名菓や工芸品などのお土産が販売されています。カフェ併設、お食事などはありませんでした。

第一竪坑櫓は1899(明治32)年、第二竪坑櫓は1908(明治41)年に完成しました。これらの坑口施設の完成に伴い、巻揚機室、汽罐場、選炭場、事務所等の諸施設が完成し、1902(明治35)年から出炭を開始しました。(
万田坑跡・三角西港 - 大牟田の近代化産業遺産ホームページより)

鋼鉄製の第二竪坑櫓(背後)と、第二竪坑巻揚機室。
万田坑跡への入場料は、大人410円、高校生300円、小中学生200円、それ以下は無料。【万田坑ステーション】【まるごとあらお物産館】は無料です。
ボランティアガイドによる【定時ガイド】が、平日・休日に関わらず 10時〜、11時〜、12時〜、13時〜、14時〜、15時〜の6回行われています。万田坑ステーション館内資料室の案内が10分前くらいから始まりますので、早めの到着をおススメします。所要時間は約30分〜1時間。混み具合などで変わるようです。

坑夫たちが毎朝の祈りを欠かさなかった山ノ神祭祀施設も、国指定重要文化財。砂岩、溶結凝灰岩製です。

万田坑は、佐藤健さん主演の映画【るろうに剣心・京都大火編】(2014年夏公開)のロケ地のひとつ。ここで、江口洋介さん演じる斎藤一が煙草をふかしながら歩くシーンを撮ったそうです。その時の衣装が万田坑ステーション内の資料室に展示されています。

お風呂場。浴槽が2つあるのは、まず汚れを落とし体を洗ってから、奥の浴槽にゆっくり浸かるため。手前の浴槽は真っ黒になったそう。そして当時としては珍しく、風呂桶がゴム製です。これには諸説ありますが、ガイドさんの説明では「荒くれ坑夫たちが喧嘩になって桶を投げ飛ばしても怪我をしないように」と言ってました。また、近くのブリジストンで廃材を利用したものというハナシも。
明治〜大正当時の風呂桶と言えばまだプラスチック製ではなく木製か、昭和中期でもアルマイト洗面器の時代ではないでしょうか。ゴム製の風呂桶なんて初めて見た。

明治41年に完成した第二竪坑坑口。坑夫や資材の運搬に使用されていたケージ(昇降用エレベータ)が置いてあります。これでなんと25人乗り! ぎゅうぎゅう詰め。竪穴の深さは264mもあり、そこへ一気に下ろされたと言います。
坑内では馬も働いていたそうですが、人間は仕事が終わると地上に戻れますが馬は真っ暗な坑道でず−−−っと暮らす羽目に…。およそ1年半〜2年でお役御免になるそうですが、「そこで終わり」なのだそう。ハッキリとは言わなかったけど、つまりそこで馬生を終えてしまうということだったのでしょう。坑内の馬引運搬が廃止されたのは、昭和5年(1930)6月。どれほど過酷だったことか…。

竪穴前にある事務室(?)。『二坑竪坑信号規定』が貼ってあり、館内放送などがない時代、モールス信号のようなもので「停止」「巻け」「おろせ」など10種類以上の信号が設定されていました。「二坑底ポンプ座」など何のことか分からないけど、これは覚えるのが大変だ。

第二竪坑巻揚機室内には、ジャックエンジンやウインチなど三池製作所製の機械(巻揚機)がほぼ当初の状態のまま残っています。

文献資料によると、坑内で使用する機械類は日本製のほか多くの外国製(イギリス、ドイツ、アメリカ、スイス)の機械が導入されていることが分かっていますが、戦時中にラベルを剥がしたり英字を削るなどしたそうです。

台形をした万田山。左側が特に抉られたように岩肌が見えています。
万田坑が石炭を採掘していた頃に掘られた坑道を埋めるため、万田山から土砂を削り出した結果、このような姿になったそうです。

三池炭鉱専用鉄道敷跡。レールの一部が今も残されています。

第二竪坑櫓の高さは18.8m。巻揚機室は煉瓦造2階建て。レンガの積み方も「イギリス積み」「フランス積み」「ドイツ積み」「アメリカ積み」「オランダ積み」など様々あるそうで、見比べながらガイドさんに教わってみてください。歴史的建造物の見方が解って、面白いです。

第二竪坑を別アングルで。

第二竪坑櫓があまりに綺麗で遺構っぽくないので(笑)、手前に枯れ草の野原を入れて廃墟らしさを演出してみた。…が、かえって綺麗さが際立ってしまったな。

万田坑は宮原坑(大牟田市)の南約1.5kmの位置に開かれ、明治30年〜35年(1897〜1902)にかけて作られた第一竪坑と、明治31年〜41年(1898〜1908)にかけて作られた第二竪坑とから成ります。
こちらは第一竪坑跡。第二竪坑櫓の約2倍の大きさだったそうです。

あちらの建物は団地跡だろうか? 敷地が広すぎて、案内板にも載っていない。

少し高台になっている選炭場跡からの景色。地平線の彼方に宮原坑が見えるのですが…写真だと判らないですね(^_^;

こちらも選炭場跡から。右側の手前が第二竪坑坑口。左奥の事務所はイギリス積みの煉瓦造り。
当時は見渡す限り樹が1本も生えていなかったので、扉や柱などを緑色にして職員たちの目を癒したという説があるらしい。

第二竪坑を中心に、ぐるっと廻れるのかと思いきや通行止めだったので戻ってきました。
左側の壁は、第二竪坑巻揚機室の正面にあたる、汽罐場跡。

かつて『職場』と呼ばれた、万田坑内の機械や設備を修理する建物。

工作機械が、数多く残っています。「ご苦労さん」の文字が目を惹く。

この滑車は動きます。レールも残ってるし、少しだけでも動かせるように整備してくれたらいいのに。

帰りがけ、旧正門の脇に建っていた透かしパネルで、万田坑最盛期・昭和14年(1931年)の風景と重ね合わせて撮影! ちょっとズレてますが、こうしないと電柱が入っちゃうんですよ…。

閉館時間が迫ってきたので、万田坑ステーションに戻って資料室を見学。ビデオの構成がとてもよくできていて、興味深く拝見しました。

坑内から排出された水を溜めるための池。
三井三池炭鉱は戦後、日本の復興に大いに寄与しましたが、石油などへのエネルギーの転換や石炭の内外炭価格差などにより経営環境が悪化し、平成9年(1997)3月、官営創業時から124年の歴史に幕を下ろし、閉山することとなりました。
(
万田坑跡・三角西港 - 大牟田の近代化産業遺産ホームページより)

【三池炭鉱万田坑跡】
住所:熊本県荒尾市原万田200-2
電話:0968-57-9155
開館:9時30分〜17時(有料区域の入場は16時30分まで)
休館:月曜(月曜が祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月3日
*おまけ*

万田坑にはレストランがないので、物産館で周辺のお食事処を掲載したグルメマップをいただき検討した結果、荒尾駅の近くにある【
玲佳】でラーメンを食べました。「地場産の食材を使用している」マークがついていたのが決め手です。
駅近と言いつつ住宅地にあり、ちょっと分かりづらかった。駐車場は普通車4〜5台ぶんくらいかな?

初めてのお店なので、オーソドックスに「ラーメン」を。500円とは、良心的!
チャーシュー、もやし、ネギのみのシンプルなラーメンで、見た目はスープがこってりしていそうですが意外とあっさりした口当たりでコクがあり美味しい。
特製辛味噌をサービスしてくれたので、後半に少し入れてみたところ旨味のある辛さがアクセントになって最後まで飽きさせませんでした。

←【人気ブログランキング】応援クリックお願いします♪
*近隣に関連する過去ブログ記事*
・2017年03月05日【
トンカラリンと菅原神社】
・2017年03月09日【
菊池川流域の史跡・古墳めぐり】
・2017年04月08日【
熊本県内装飾古墳 春の一斉公開】
・2018年01月11日【
大津山阿蘇神社(大津山生目八幡宮)】
・2018年12月22日【
松永日本刀剣鍛錬所を見学】
*はじめての方はこちらもどうぞ*
SOTO 松本周己 公式ウェブサイト Twitter┃
Facebook┃
Instagram┃
YouTube┃
フォトライブラリー +SOTO+全国ご当地ソフトクリーム 全国道の駅情報+SOTO+*Facebookに関するお願い*
Facebookの「友達」は実生活での直接の友達のみとなっております。
「フォロー」していただければ幸いですm(_ _)m
Facebook Messengerからのメールも「友達」制限設定しておりますので、
SOTOホームページの
お問い合わせフォームをご利用ください。
どうぞ宜しくお願い致します。