閑(しず)かさや 岩にしみ入る蝉の声−−−
松尾芭蕉も詠んだ立石寺(りっしゃくじ)へ。3年前に立ち寄ったことがあったのですが、奥之院まで登らなかったのが心残りで。

山の樹々の間から、ごつごつとした岩肌が覗いています。新第三紀中新世の凝灰岩らしい。

慈覚大師と磐司磐三郎が対面したという対面石。隣にぴったり寄り添うように建てられたお店の名前も対面石。

周辺には公営・民間含めて駐車場があちこちに点在してますが、無料駐車場は見当たりませんでした。ちょっと遠くても有料なので、同じ値段ならと通りに続く橋のあたりの民間駐車場に停めました。空いていたしラインにちょうど入った♪ しかも300円でした\(^o^)/

日枝神社登山口。登山口と名のつく場所は3ヶ所くらいあるようですが、最終的には料金所となっている山門から登るので、もっとも端にあたる登山口から入ります。

こちらです。『名勝・史跡 山寺』と刻まれた大きな石碑が目印。
立石寺は山形県山形市にある天台宗の寺院で、山号は宝珠山、ご本尊は薬師如来。
山寺(やまでら)の通称で知られ、寺号は詳しくは宝珠山 阿所川院 立石寺(ほうじゅさん あそかわいん りっしゃくじ)と称する。
蔵王国定公園(第2種特別地域)に指定されており、円仁が開山した四寺(中尊寺・毛越寺、瑞巌寺)を巡る「四寺廻廊」を構成しているほか、若松寺・慈恩寺を巡る出羽名刹三寺まいりを構成する。
・
立石寺 - Wikipediaより

猿が出没するんですか!

立石寺の本堂である根本中堂へお参り。まずお線香(50円)を上げ、ご挨拶。
御朱印をいただいたのですが、二人いるうちの一人が目つき悪くてダルそう〜〜〜にしていたので…「こっちの人だったらイヤだなぁ」と心配しながら並んでいたところ、もう一人の方になってホっとしました。でも、あの態度は僧侶としてどうなの。
御朱印(御朱印帳)に際する注意書きが、たくさん貼ってありました。神社とお寺は別にする、観光スタンプなどは押さない、頭よりも下の位置に保管しない…などなど。
それから基本的に御朱印のお志(料金)は300円で、お釣りのないように小銭を用意しておくのがマナーだそうです。他にも小銭を使う機会がたくさんあるので、あらかじめ小銭を用意しておいた方がよさそう。

根本中堂(重要文化財)には、撫でて参拝できる招福布袋尊が鎮座しておられます。布袋様のからだは撫でられてツルツルです。
中性院の「おびんずるさま」も同じく。ぼけ封じのご利益があるそうです。

通路の真ん中の、これは一体? 案内板によると…
【橋殿】
古来、偉人のみ渡る石橋と伝えられています。石橋の裏側に、梵字(インドの古代文字)が刻み込まれています。地蔵尊の頭を撫でると、長生きできるとか…。

出羽國山寺総鎮守 山寺日枝神社。
慈覚大師円仁が宝珠山を開基する際に、比叡山延暦寺に倣って山寺一山の守護神として近江国坂本の日吉大社(ひえたいしゃ)より御分霊を勧請し祀ったのがはじまり。(略)
明治3年、政府の神仏分離令(神仏判然令)により、立石寺とは切り離し山寺村の守護神として日枝神社と社名を改め村社の社格を有することとなり、ここに1000年に及ぶ立石寺の当社への別当は終止符を打つ事となりました。
(
山寺日枝神社 公式サイトより)

【亀石】
石の真ん中か右側か左側か…場所によって願い事の種類が分けられています。小銭に名前を書いて、自分の願い事の場所に小銭を置くそうです。置く、というか投げなきゃいけないよね。これは難しい。

松尾芭蕉と、弟子の曽良像。

常行念仏堂。「ころり往生 阿弥陀如来」って書いてある(笑)
座禅や写経を行う修行道場で、慈覚大師作と伝えられる木造の阿弥陀如来像が安置されています。

さぁ、いよいよ山門に到着。ここから登山口です。

うわーっ、地図が細かすぎて文字もかすれてるし分かりづらい!
クリックすると大きな画像が確認できますが、それでも見づらいかも…。

これは別の場所にあった看板ですが、ここに貼っておきます。
こっちは大雑把で、ところどころ省略されてます(^_^;

登る前に、ちょっとコバラが空いていたので目の前のお食事&お土産屋さんで玉こんにゃく(100円)を。
「玉こんにゃく」を「力(ちから)こんにゃく」と呼ぶのもアイデアですね。

入山料300円を支払い、いざ入山。

寺伝では貞観2年(860)に清和天皇の勅命で円仁(慈覚大師)が開山したとされています。

奪衣婆(だつえば)を祀る姥堂。屋根に雑草が生い茂って、いかにも〜…って雰囲気。
ここから下は地獄、上は極楽という浄土口にあたります。
1015段の石段、ひとつひとつ登ることによって欲望や穢れを消滅させ、明るく正しい人間になるといわれています。が、がんばる!

ところどころ突出した凝灰岩には、ところ狭しと卒塔婆(そとば)を模した岩塔婆が掘られ、石像もあちこちに安置されています。

林の中は濃い木陰でヒンヤリ。

何ヶ所か、この輪っか?が岩や地面についてました。昔は鎖場もあったのかな?

現在は足を踏み入れられない場所も。

まさに霊場といった雰囲気です。

この磨崖仏は、安然和尚像と伝えられているらしい。それで、風化を防ぐために屋根が設けられ、特別扱いされてます。

芭蕉が『奥の細道』で伝えている「せみ塚」。ここで、あの句が詠まれたそうな。

長い歳月をかけ、風雨が岩肌を削って阿弥陀如来をつくりだしたという弥陀洞(みだほら)。
一丈六尺(約4.8m)あることから丈六の阿弥陀ともいわれ、仏の姿に見える人には幸福が訪れるとされています。
どうですか、見えますか?

仁王門が見えてきました。

案内板によると、嘉永元年(1848)再建。けやき材の優美な門で、左右に安置された仁王尊像は運慶の弟子たちの作といわれています。
邪心を持った者は、この門をくぐってはならぬと阿吽の仁王様が睨みをきかせ、後方の閻魔王が門を通る人たちの過去の行いを記録しているのだとか。

門をくぐって、少し登ったところで振り返ると…ずいぶん登って来たんだなと実感。

観明院、性相院(写真)ときて、

金乗院(写真)、中性院と続きます。

なんと売店がありました!

最上義光公 日牌所(位牌を安置して毎日供養するところ)。

こんなところにポストまで!
どうせなら売店でオリジナル葉書を販売して、ここから出せるようにすればいいのに。

ついに奥之院に到着しました。向かって右側が奥之院本殿です。

金華山・金毘羅山の灯籠とともに『日本三大灯籠』に数えられている金灯篭。

左側は、黄金の阿弥陀如来座像(約5m!)が安置されている大仏殿。

華蔵院の隣には…(写真で言うと手前、右側)

三重小塔(重要文化財)。もっと大きいものを想像していたら、まさかの岩窟に納まってた。

そういえば石段を数えなかったけど、どこからどこまでで1015段だったんだろう。

この場に似合わず、ずいぶんモダンな門扉があるなと思って見てみたら、【山寺行啓記念殿】といって明治41年9月18日に東宮嘉仁親王(後の大正天皇)が山寺に行啓された際、小休止・昼食をとる施設として造られたものだそうな。

山寺行啓記念殿からの眺め。山寺行啓記念殿は、本堂よりも高い位置に建っています。(写真の左側は本堂じゃなくて金乗院)

慈覚大師円仁を祀る開山堂(右)と、この山内で最も古い建物である納経堂(左)。
お堂の向こう側は断崖絶壁。

開山堂の右脇から、さらに上へ石段を登ります。

こういうところに小銭を捩じ込む神経がわからん。

さぁついに、五大堂に到着です。右側は天狗岩。

断崖絶壁の岩山に、まるで天空に突き出るように建っています。

五大堂からの眺め。

岩壁にあいた岩穴に見える石塔には亡くなった人のお骨が入っており、他の岩穴にも古い人骨が納められているそうです。

五大明王(大聖不動明王、東降三世明王、南軍荼利明王、大威徳明王、烏枢沙摩明王)を祀る由緒ある道場、それが千住札だらけなのも眉をひそめるのに、落書きがいっぱい!!!
これは消せないんだろうなぁ…。カンナで削るしかないのか。

なんだかしっくりしない気持ちのまま下山開始。
正面は性相院。

「まぁまぁ、心を落ち着けなさい」
苔の衣を纏った石仏さんに、諭される思い。

大きな荷物を抱えた男性とすれ違いました。売店などにお届けするのかな? それにしても、格好がリクルートファッションぽかったんだけど(笑)

山門を出て、しばし余韻に浸る。
ちなみに一般的には往復1時間くらいだそうですが、わたしは写真を撮りながらゆっくりのんびり廻ったので1時間半かかりました。

立石寺本坊へ続く抜苦門。

この像に、もっとも惹かれました。ひっそりと目立たない場所にありますが、円仁さんでしょうか?
苦悩を思わせる眉目、ぐっと結ばれた口元、清濁あわせ飲むといった印象です。

帰りに、JR山寺駅前の【焰蔵】で遅い昼食に蕎麦をいただきました。
外観も、店内の雰囲気も落ち着いています。

『十割板そば』にしました。無農薬栽培の最上早生を使用しているそうで、コシがあります。ちょっと田舎蕎麦っぽいというか、土くさいというか、においが気になりました。
期待していた山寺、奥之院参拝ですが… 個人的には、何となくテーマパークっぽくなっちゃってるな〜と残念に思いました。
ところで山寺に関する、公式と思われるサイトがことごとくエラーで表示されないので、改善してほしい…。
撮影:Nikon COOLPIX P900/スマホカメラ(Xperia Z SO-02E)

←【人気ブログランキング】応援クリックお願いします♪
*近隣に関連する過去ブログ記事*
・2012年06月18日【
蔵王・お釜〜遠刈田ドライブ】
・2012年06月25日【
瑞宝山本山『慈恩寺』】
・2014年10月19日【
定義山(じょうげさん)こと定義如来 西方寺】
・2014年10月20日【
日本の滝百選・秋保(あきう)大滝】
・2015年10月18日【
山寺そぞろ歩き】
・2015年10月19日【
ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所を見学】
・2017年10月24日【
神池・大沼に浮かぶ浮島稲荷神社】
・2017年10月25日【
唯一無二、空気を祀る神社】
*はじめての方はこちらもどうぞ*
SOTO 松本周己 公式ウェブサイト Twitter┃
Facebook┃
Instagram┃
YouTube┃
フォトライブラリー +SOTO+全国ご当地ソフトクリーム 全国道の駅情報+SOTO+*Facebookに関するお願い*
Facebookの「友達」は実生活での直接の友達のみとなっております。
「フォロー」していただければ幸いですm(_ _)m
Facebook Messengerからのメールも「友達」制限設定しておりますので、
SOTOホームページの
お問い合わせフォームをご利用ください。
どうぞ宜しくお願い致します。